2022年12月18日(日)、大阪公立大学学舎18階会議室をお借りして総会&クリスマス会を開催しました。
会員12世帯(うち1世帯オンライン参加)、大人16名、子ども2名が参加しました。


会員の他に、いつもお世話になっている大阪公立大学医学部附属病院の濱崎考史先生(大学院医学研究科 発達小児医学教授)、服部俊一先生(栄養部)、藤本浩毅先生(栄養部)、大阪市立総合医療センターの長谷豊先生(名誉医官)がご参加くださいました。
また、今回は大阪公立大学の小児科ベッドサイドボランティアサークルから杉本さん(医学科4回生)・葛城さん(医学科2回生)がご参加くださり、おもちゃなども用意して総会の間子ども達のお相手をしてくださいました。

プログラム
① 参加者自己紹介
② 総会(活動報告、会計報告、予算案)
③ 濱崎先生ご講義『治療を続けることの意義』
④ 休憩・ミルク乾杯
⑤ 災害時の備えについて
⑥ 先生方や企業様・会員に聞いてみたいこと
⑦ 役員選出

③ 濱崎先生ご講義について
濱崎先生からはスライドと紙ベースの資料をご用意いただき「現在行われている治療方法」、「欧米の血中Phe値のコントロール実情」、「食事療法とI Qスコア・頭部M R I・認知能力などとの関係に関する研究結果」などの紹介を通じて「食事療法を継続することの意義」を示していただきました。
「食事療法を中断し血中Phe値が高くなると、どのようなことがなぜ起こるのか」もご説明いただき、もし「成長の段階で一度食事療法から遠ざかってしまってもその時点から再度食事療法に取り組むことにも意義があること」を海外の治療用食品メーカーのCM映像なども用いてわかりやすくインパクトのある形でお話しいただきました。
しかし、欧米では日本に比べPKUなどの患者数が多く治療用食品・公的費用補助・メディカルフードなどが充実しているが、日本の治療用ミルク供給体制の現状や公的補助、メディカルフードなどの状況を見ると、まだまだ国としてのシステムや枠組み作りなどが必要であるという問題提起をいただきました。
食事療法を続けていく上で、本人や家族の頑張り以外にもまだまだ環境面などたくさんの改善余地があること、改善のために声をあげ話し合ってくださっている場があること、欧米での実例などを知り、色々変わるにはすごく時間がかかるのでしょうが、また少し気持ちが楽になりました。

⑤ 災害時の備えについて
災害時の備えについて、特殊ミルク事務局から医療機関などに調査協力の依頼があり濱崎先生から会員の意見も伺いたいとのお声がけがあり総会前にアンケートを実施しました。
当日、回答の報告と先生方からコメントをいただきました。
「現在の備え」「工夫していること」「必要と思うもの」「不安なこと」などを共有することで「備蓄していても全てを持って避難できるのか?」「備蓄ミルクの量と消費期限の問題」「離乳食への移行期の場合は?」など個人レベルでも具体的な課題点や工夫点が見えてきました。
現在特殊ミルクの生産工場などは関東圏にのみ集中しており災害が発生した場合に供給がストップしてしまう恐れがある状況のようです。特殊ミルク事務局などではそんな状況になった場合「国外から取り寄せできるか?」「災害時にも供給できる治療用ミルクに代わるもの・治療用食品はあるか?」など日本国外にも目を向け色々検討が進められているそうです。

⑥「先生方や企業様・会員に聞いてみたいこと」について
こちらも事前に実施したアンケートで出た項目について皆で意見交換しました。
「おすすめ低たんぱく食品・たくさん食べてくれるレシピについて」「小学校での給食対応について」「BH4負荷試験について」「ミルク拒否について」「食物アレルギーについて」「たんぱく質は調理で溶け出すのか」「成人患者の食事療法継続へのアドバイス」などなど、お互いの日々の食事や経験を通じて話し合えることがたくさんあり、全ての参加世帯から発言いただくことができました。また、お医者様や栄養士の先生方が同席くださっているからこそ、その場ですぐに詳しく知ることができたこともたくさんあり大変充実した時間になりました。

⑦ 役員選出
現体制になって丸4年経ち、役員交代について提案しておりました。
現会計監査が退任、現会計が会計監査に就任しました。新役員として2名の方に加わっていただくことになりました。
役職などについては引き継ぎ期間を設け追って決定することになりました。

【感謝】
○ ㈱ヘルシーネットワーク様 総会参加家庭、欠席でサンプル希望の家庭全てに低たんぱく食品のサンプルをご提供いただきました。
○ ㈱バイオテックジャパン様 総会参加家庭にクリスマスプレゼントとして手作りのお菓子「越後のパン粉クッキー」をお贈りいただきました。
このような時勢の中、変わらずご支援いただき誠にありがとうございます。

○ 濱崎考史先生
コロナ禍で病院会議室の借用が困難な中、大学学舎内の会議室をお手配いただき、質疑用の複数のマイク手配、オンラインのためのご準備と当日のご講義・会員の質問や相談対応まで大変お世話になりました。ありがとうございました。
○大阪公立大学 小児科ベッドサイドボランティアサークル 杉本さん・葛城さん
元気すぎる子ども達のお相手を長時間ありがとうございました。子ども達もとても楽しんでおり、会議の進行上も大変助かりました。

今回もたくさんの方々のご助力により無事総会が開催できましたこと、大変ありがたく感謝しております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。