厚労省は3月5日、平成20年度の薬価を改定し「官報」(号外第43号)で告示しました(第60号)。これにより4月1日からの改定薬価では、PKU用治療ミルクは、1缶1万1040円が1万7640(6600円値上げ))に、MUSD用治療ミルクは1缶9600円が、なんと約6.5倍の6万2160円(5万2560円値上げ)になっていました。 このような法外な値上げを許せば、小慢制度の対象から外される20歳以上の患者・家族は医療費の自己負担分3割が重くのしかかり、生涯治療が必要であるPKU患者は生活破綻、治療の断念にさえ迫られている状況となります。また、20歳以下の患者・家族にとっても、安心して治療を続けることができません。まして、MSUD患者にとってはまさに生死にかかわる問題です。 こうした事態を受けて5月中旬からまずMSUDグループが立ち上がり、親の会協議会も全面的に支援する下で、舛添厚労大臣、大臣官房、厚労省関係部局などに何らかの救済措置を求めるとともに、各政党への陳情、新聞各社への取材要請などの要請運動を続けてきました。 その結果、厚労省は「急激な患者負担の増加に関するご意見をいただいたことを踏まえ」て「官報掲載事項一部訂正について」と題する事務連絡(6月2日付)を発出し、治療用特殊ミルクの薬価を以下のように訂正しました。   これにより、治療用特殊ミルクはPKU、MSUDともに1缶1万3320円に引き下げられました。  (本件は41日に遡って適用されます。4月以降に支払われた薬剤費の差額については、製造販売業者が医療機関等を通じて患者に返金されます)